Other voices Other rooms

ってのは本当にいいタイトルで。

最近は秋に正直にかなりの量の本を読みふけっていたのだけれど、昨日カポーティにうひゃーって思った。昔家の人たちが確か熱心にカポーティを読んでいたのだけれど、『ティファニーで朝食を』を20ページで飽きちゃった私は大学入ってレポート課題になるまで読んでなくて、それで当時はなんか今思うとレポート地獄みたいな感じだったからこれもすっごい急いで読んで急いでレポート書いた思い出くらい。先週かそこらに急にタイトルが頭に浮かんで、うわあすごくいいタイトルだなあ!と思ったんだった、ていうのを昨晩思い出して、読んだらあっという間に読み終わった。
遠い声 遠い部屋 (新潮文庫)』。
Other voices other roomsってつけたカポーティもすごいけどそれを『遠い声 遠い部屋』って訳した河野一郎もすごい。あととにかく描写がすごい。超きれい。バスも列車も通っていない「ヌーンシティ」(「ヌーンシティ」ですって!)なんて名前の町が舞台なのも、その隣町の名前が「パラダイスチャペル」なのもすごい。そんな名前で設定しちゃってるのがすごい。「すごい」がどんどん陳腐な響きになっていくけれどまったくもってすごい小説だと思う。22歳のゲイの「美少年」はこんな小説を書いていたのか!