朝から

12時間経ったのに何も変わってない。夕方私が部屋ですっかり寝こけていたとき家の真ん前でひったくりがあって、「待てー」ってなんかドラマみたいな声が上がってたらしいのだけれど私完全に夢の中で母親に腹を立ててたから全く気づかなかった。こんな小さな道なのに、夏には家から数十メートル離れた喫茶店の売上金何百万だかが早朝ひったくられて、その日のその時間は私起きてたはずなのにその時も何も気がつかなかった。でも昨日は朝っぱらからこんな小さな道を竿竹屋のトラックがうるさく何度も通ってたから超不愉快で朝の7時台に何なめた事してんのってあやうくトラックに卵投げつけるとこだった。竿竹なんて絶対買わない。

携帯がアラームに成り下がってる。

朝から12時間経ったのに何も変わっていないのは当たり前で午前中本読んで漫画読んで雑誌読んでご飯食べてあとは眠ってただけだからでもうずっと眠っていられるって言ってたのは本当でだけども7時間も寝たのに日付すら変わってないってのはどうなの。一度寝ると、10分だろうと1時間だろうと10時間だろうと、起きるのがしんどくてたまらない。そういえば昨日学食で会話に気を取られてまったく気づいてなかったけどあのひじきご飯の中に入っていたのはあれは、銀杏だ、今思い出した。落ち込む。あんなもん口に入れてしまったのか。ああ私が、愛を込めて呼ぶ退屈はもうないなあ。「遠く」の概念を気づかせてくれるものももうないなあ。深夜すごい寒くて紅茶入れたら熱い液体が食道流れるのを直に感じてじんとした。バイト先の友達で最近服がものすごい頻度で被る人がいて昨日もまた微妙なかぶり具合でもうこのごろじゃ気持ち悪いって言ってる。一回、二日連続で被った時は一日目はまあ許容範囲な感じだったのに二日目はすべてが恐ろしいまでの被りっぷりで、あ、制服?くらい一緒だったんだけどそういえば彼女とこのまえ話してたのは、ほら、小さい頃ってやたらと生きにくかったしね、っていう話だった。本当に、小さい頃は思い出すだけで切なくなるくらい生きにくい。器用になるってこういうことだ。だけれど生きやすいのがどういう事なのかは知らない。そういえばうとうとしてるときに、なんであれだけの事を言語化するのにあんなにもかなしい言葉を使わなくちゃいけないんだろうとか、なんであれだけのものを手に入れるのにあんなにもつらい事が必要なんだろうとか、夢の流れで思っていて、起き上がるとイギリス人の太ったグランマがその分厚い両手で私の両頬を包んで化粧の濃いその顔を歪めながら「オー、ディア」って言ってくれるんだ。あ弱ってるねこれ、もう、寝ればいいよ。