ヒヨドリが

巣を作り始めたらしい。
最初に作ったのは私が小学生の頃で、夏休み、中庭にある一本の木にヒヨドリが巣をつくり、それの観察日記を姉が夏休みの自由研究としてやったのを覚えてる。
卵がかえって生まれてきたヒナたちは当然飛ぶ練習をするのだけれども、当時我が家には猫がいて、その猫って言うのがいわゆる「飼い猫」って言うよりは家に居候してる野生猫といった感じだったので、木の下で猫は落ちてくるかもしれないヒナをじっと見つめていたわけです。
それである日、猫がいつもよりもニャーニャーとこちらを呼ぶ声がしたのでふと窓からか顔をやると、案の定そこには猫に捕らえられた哀れな一羽のヒナが死んでおり、猫はまるで「見て!」と言わんばかりにその横で鳴き続けていたのでした。私は幼かったせいもあってその死んだヒナを見た時には本当に怖くて、道端で死んでいる鳩を見るのとは大違いな感じでおおきな叫び声を上げてしまったのを覚えているのだけれども、それはもちろん家の中庭に作られた巣から生まれたか弱いヒナ。というものに子供特有の愛情を覚えていたからで、かといってそれを事実上殺してしまった我が家の猫と言うものに腹が立ったり恨んだりということもまるでなく、ヒナはリアルに死んでいたからそれがただただ衝撃だったんだろうなと今思う。


ヒヨドリって姿はかっこいいんだけれど鳴き声がうるさいのよねめちゃくちゃ。